不安対策にストラテラ 服用開始1カ月経過後の様子

白目トモ子(筆者)
マスコミの片隅で息も絶え絶えの記者。週末キャンピングカー住まい。子供との野遊び、中学受験、家計簿、時短収納を記録。自身も中受経験の経験組。

長男の不安対策にストラテラを服用して1カ月超がたちました。服用開始は朝晩5ミリずつの計10ミリ。4週間かけて慣らしたのち、夜に5ミリ追加で計15ミリに。どのように行動が変わったのかの記録です。

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ストラテラって?

ADHD治療薬の中でも比較的マイルドに効くと言われている薬です。例えば以下のサイトでは順序だてた思考、行動のコントロール、朝の目覚めや動き出しが良くなるといった効果が挙げられています。

長男の場合は、今の病院ではADHDとの診断は下りていません。心理検査の結果からは多動・衝動性の特性がほとんど見られなかったためです。ストラテラはADHD治療薬ですが、不安を取り除く効果もあるそうで、その効果を期待して処方されました。

処方の目的である「不安の軽減」にもクリアな効果を感じましたが、それに加えて癇癪の減少、指示の通りやすさの改善、思考の整理や時間感覚の強化などにも効果があるように感じています。

効果を感じた部分

癇癪が減った

彼の最大の困りごとであった癇癪が激減。おそらくは「気持ちのコントロールができるようになった」ことの効果です。今でも問題が解けなかったり友達と意見が合わなかったりするとイラっとしている様子はありますが、5秒ほどでその感情を流せるようになっています。以前は嫌な気持ちを流すことができず、鉛筆を折って発散するなどしていました。

勝ち負けにあまりこだわらなくなった

これも「気持ちのコントロール」に関わる部分なのか、勝ち負けにこだわらずゲームを楽しむようになりました。以前の長男はトランプでもゲーム機でも勝負がつく類のものはNGでした。負けそうになると頭を抱えてうなりはじめ、ひどいときには相手を妨害。兄弟げんか激化から最後は親が怒りだし、最後までゲームを続行できないこともしばしばでした。

指示がすっと入るようになった

これまでの彼は、読書や趣味の製作などを始めると完全に「あちら側」に行ってしまう状態。自分の世界に入り込み、言葉は届かず、声をかけても生返事。中断させることは非常に不快なようでそこから癇癪が勃発することもしばしばでした。

それが、今は声をかけるとすっと届くように。例えば夜であれば「もう寝よう」と言うと以前なら怒りだしていたのが、時計を確認して「分かった寝るね」とすぐに本を閉じられる。朝であれば「勉強しよう」と言うと素直に机に向かえるような。

この過集中状態は私自身もしばしば陥るので理解しやすいのですが、脳がフル稼働しているようなフローの状態があるとして、そこまで脳を立ち上がらせるのにかなりのパワーが必要で、いったんその状態に到達したら誰にも邪魔されたくないという感覚。それを中断するのは、動き出した機関車を無理に止めさせているような苦痛を伴います。気持ちの良い集中を中断された怒りは機関車が止まる時の「キーッ!」という音だと喩えればわかりやすいでしょうか。

ストラテラはひょっとしたらこの「立ち上がりの遅さ」を改善して、瞬間的に集中したり集中を解いたりすることができるようにしてくれるのかな、と感じています。あくまで私の解釈ですが。

人への恐怖心が減った

他人への恐怖心が病的に出ることがありました。例えばスーパー店内で名前を呼ばれるのを異常にいやがったり。理由は「人に名を知られると、どんな悪いことをされるか分からない」。あるいは街中で友人に会うことを異常に恐れたり。母親と一緒にいるところを見られるとどんな風にからかわれるか分からないという理由で。

こういった「根拠のない漠然とした人への恐れ」が頭から離れず、学校に行けない、外に出られない、外で理解不能な行動を取る、という困り感につながっていました。ストラテラの処方の目的はこの不安感を和らげることでしたが、ここには綺麗に効きました。

朝は学校まで送りに行っていますが、以前であれば50メートルほど離れたところまでしか同行を許されなかったのが、校門まで付き添えるように。「見られている」という恐怖心が減ったためです。外で名前を呼んでも以前のような過剰反応はなくなり、いたって普通に過ごせるようになりました。

思考の整理が上手になった

最もストラテラの効果を感じていた時には、本人自身も調子の良さを感じるようで「頭がよくなった気がする」としきりに言っていました。人が変わったほどの差ではありませんが、「良く眠れて目覚めも良かった日」「寝不足でストレスも多くぼーっとする日」くらいの差はありそうです。

そして調子が良い日は難しい算数の問題にも嬉々として取り組み、計算用紙に綺麗に条件を書き出して解いたりしています。これも以前では決してみられなかった姿です。

時間が見通せるようになった

これは最もほんのりとした効果です。しばらく前までは週末になる度にその日の予定を全て書き出し、お手製の時間割を作成していました。すべてリストアップしないと総量が理解できなかったためです。それを目立つところに掲示して、一つ終わらせるたびに次の予定を確認していました。

薬を飲み始めてからは「書き出して」と言われることが減りました。頭の中に時間割表を書けるようになった模様で、「予定が分からない」と混乱することが少なくなっています。これは薬の効果なのか、しばらく予定を書き出していた効果なのか定かではありません。

一時的に不安定になることも

薬を始めたり増量したりした1週間後から一時的に不安定になりました。弟に対して手が出たり、顔面のチックが悪化したり。また、頭の中で様々な思考が駆け巡るパニック状態に陥ることも時折ありました。こういった状態は服薬開始3週間を過ぎると徐々に落ち着いてきました。

現在薬を増量して1週間ですが、飲みはじめの時のような不安定状態が再来しています。おそらく薬が増えたことに適応しきれていないことによるものだと考えており、様子を見守っています。

トモ子

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