精神科通院⑤ 「したいことを全部しよう」 徹底的に寄り添った2週間

白目トモ子(筆者)
マスコミの片隅で息も絶え絶えの記者。週末キャンピングカー住まい。子供との野遊び、中学受験、家計簿、時短収納を記録。自身も中受経験の経験組。

精神不調の太郎に徹底的に寄り添っています。「行きたい」へ行く、「作りたい」を作る、「読みたい」を読む。時々親からも「〇〇したら?」と提案しますが、提案にとどめ、「〇〇しなさい」は現状は封印。2週間ほど続けてきて、太郎さんに変化が見えてきました。

このページの内容

課金上等! 好きなことを徹底的に

初めてこのブログを読む方向けに簡単に説明しますと、太郎はもともと持っていたトゥレット症候群という疾患に加え、併発症による(と思われる)ひどい癇癪、社会に無理に合わせて生きてきたストレスからくる二次障害と思われる「妄想」「幻聴」に悩まされ、精神科通院を始めています。

先週の月曜から服薬をはじめ、2週間弱が経過しました。薬の副作用もありゆっくりすごした2週間。これまで太郎に厳しく接しすぎた反省から、徹底的に寄り添う姿勢に転換しました。

仕事? 仕事については聞かないでください。職場には迷惑かけました。

好きなものを食べる

まずは、好きなものを食べる。この2週間はとりあえず3食のリズムとか、栄養とかは脳の片隅に追いやって、「何食べたい?」から一日をスタート。食べたいと言われれば即仕事の手をとめて連れて行きました。

まずはドーナッツ。それから、子ども大好きファミレスです。

食べ物についても、あれこれ親のルールがあって、「〇〇でなければならない」の中で子供たちは生活しているわけですけれども。一日三食食べなければならない、野菜と肉をバランスよく食べなければならない、等々。子どもたちも耳タコで良く知っていますし、数日ルールを逸脱したところで一生食べ続けるわけでもないですから。

回転ずしに行っても「どれ食べてもいいよ」。560円のマグロ3貫も気持ちよく「いいよ」。普段はけち臭いこと言いますけどね? いいよ! 好きなもの食べて元気出していこう!

好きなところに行く

それから、好きなところに行く。ある日、大癇癪を起して、大癇癪からのメルトダウンを起こして、ウワーウワーと泣き叫びながら、「遊園地に行きたい…遊園地に行きたい…」とむせび泣いたので、「分かった、行こう」とその日の夜に連れて行きました。

連れて行ったのは旧後楽園遊園地、現東京ドームシティアトラクションズ。17時からのナイトパスがあるので、17時から22時まで遊び倒します。

興奮しすぎなトゥレット症候群&(多分)ADHD&(多分)ASD児の謎行動が随所に見られて大変楽しい時間だったのですが、細かい話はまた別途書くとして。子どもにとってはママを独占! そしてほぼすべてのアトラクションが待ち時間なし! 最高ですね。夜ご飯含め1万円もあれば最高のアフター5を過ごせるので、とっておきのご褒美にまた行きたいなと思います。

トゥレット症候群とは

目をギュッとつぶったり、腕が勝手に動いたりする運動チックと、勝手に声や言葉が出る音声チックが継続して出る病気。10歳~12歳で症状が悪化すると言われており、太郎はまさに10歳で症状が悪化し始めました。

好きな本を読む

それから、好きな本を読む時間です。

おそらくASD(自閉スペクトラム症)傾向のある太郎は、健常人向けのこの社会でただ普通に生活しているだけで、大変な疲れとストレスを感じています。現実からの逃避として、「人間やめたい」「宇宙に行きたい」と漏らすようになり、怪しいYouTubeの動画の世界を漁るようになったので、一緒に宇宙本を買いに行きました。

買ったのは講談社ブルーバックスの「宇宙人と出会う前に読む本」他2冊。ちょっと難しいのは100も承知の上です。親として伝えたいことは「良質な知は本の中にある」ということと、「知的好奇心は徹底的に応援する」ということ。本が積読になっても構わないので、一緒に知りたいことを探りに行こう、という姿勢を見せてあげられたら、と思っています。

好きなものを作る

それから、好きなものを作る。ジオラマの世界を作るのが大好きな太郎は、時間があれば作業机に向かっています。ただ、ブロック遊びと異なりパーツが必要で、それが高いのが悩みでした。

ジオラマ素材に使えるものを探して、ダイソー巡りをすることがしばしばあったのですが、ちゃんとしたジオラマパーツが買える専門店で欲しいものを大人買い。とにかく、やりたいことをやろう。作りたいものを作ろう。私は何も妨げない。全て応援する。そんな姿勢で臨みます。

あるジオラマショップでは、3万円の遊園地セットがあり、リアルでも遊園地を作りたいという夢を持つ太郎はセットの前でフリーズ。買ってほしい自分と、さすがに高いと自制する自分に引き裂かれ、メルトダウン。店内で音声チックがさく裂してポカスカと頭を殴り始めるという状態になってしまい、レジの前で買うの買わないのを10分以上繰り広げ、こちらも購入。

「がまんも必要」「純粋にお金が持たない」という思いも親の側には当然あるのですが、ただ生きているだけで我慢を強いられる太郎のような子に、親がお金を出すことで回避できる苦痛があるのであれば、お金出してあげればよいんじゃないかと。もちろん限界はありますし、限界があることは太郎も知っているので。

ママがずっと、太郎のためだけに一緒にいる

もしかしたら、一番大きいのはこれかもしれません。この2週間、私は基本的にNOと言いませんでした。食べたい、行きたい、読みたい、作りたい、欲しい、すべての願いにまずは耳を傾け、不可能でない限りは叶えると。そのために、呼ばれたらどんなに忙しくてもすぐに近くに行く。目を見て、どうしたの? 何かあった? 何かしてほしいことがある? と聞くと決めて過ごしてきました。

太郎が顔をしかめて「いや、ダメだ」と自責感情を表したら「そんな気持ちになる必要はない」となだめ、「何がしたいのか」「どうしてそれがダメだと思ったのか」を丁寧に聞く。

サピックスの講習もありましたが、行ける日だけ行けばよい、授業を聞きたいとワクワクする時だけ行けばよい、と伝え続けました。全ての活動はポジティブな感情があってこそ意味があるもので、自分の感情をねじまげて、社会から与えられた「すべきこと」の中に自分が合わせていく必要はないと伝えました。

そして、「できない」「したくない」を一緒に受け止め、休みたいときは一緒に休む、戻りたいときは一緒に戻る、という風に歩調を合わせました。

太郎が見てきた私は、在宅勤務で常にPCを見ていて、子どもよりも仕事が大事で、イライラカリカリして、時間に追われていて、子どもには指示して怒ってばかりの母親だったと思います。私が、子どもにあれこれ指示するのではなく寄り添うという姿勢で、太郎の顔をしっかり真正面から見て一緒にいる時間は、記憶がある限りでは初めて経験したのではないかと思います。

たったの2週間と言えば、たったの2週間です。それでも、太郎と私に大きな変化が起きてきたと感じています。

トモ子

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