精神科通院③ インチュニブ1週間 癇しゃく激減も虫が這う幻視が

白目トモ子(筆者)
マスコミの片隅で息も絶え絶えの記者。週末キャンピングカー住まい。子供との野遊び、中学受験、家計簿、時短収納を記録。自身も中受経験の経験組。

ひどい癇癪、イライラ、妄想のような症状に悩まされていたトゥレット症候群&発達障害疑いの小4男子。精神科の予約が繰り上がって初診に行ってきたのが一週間前のことでした。処方されたのはADHD治療薬のインチュニブと、睡眠導入剤ロゼレム。経過観察記録です。

このページの内容

太郎のこれまでの経緯

通院に関しては記事一覧ページを作成しましたので、これまでの経緯はこちらからお読みいただけます。

もともと複合的なチック症状が出るトゥレット症候群という疾患があり、やや発達は凸凹があったのですが、ここにきて妄想や幻聴のような症状が出てくるように。他の精神疾患を抱えているのではないかと心配して、精神科を受診した、というところです。

トゥレット症候群とは

目をギュッとつぶったり、腕が勝手に動いたりする運動チックと、勝手に声や言葉が出る音声チックが継続して出る病気。10歳~12歳で症状が悪化すると言われており、太郎はまさに10歳で症状が悪化し始めました。

薬はADHD(注意欠如・多動症)治療薬「インチュニブ」と睡眠導入剤「ロゼレム」

処方された薬はADHD治療薬の「インチュニブ」でした。太郎の不調はあまりに多岐にわたるため、その不調の中の何を最初の治療のターゲットにするかと問いかけられた初診。最大の困りごとである「癇癪」を減らしたい、という希望を伝え、先生が選んだのがインチュニブでした。

そもそもADHDなのか? という点は確定診断に至っていません。いくつかの検査を踏まえて診断が下りることになると思うので、別途記事を書いていきます。

薬の服用初日は昏々と寝続けた

効果を感じたところ

癇癪が軽くなった

「癇癪をおさえる」という部分については、劇的に効果がありました。

薬の服用前はそこらじゅうが地雷原で、すべてのことに怒り狂っていた息子。冷凍庫にお気に入りのアイスがない、起床時に食欲がない、タンスに靴下がない、弟がトイレから出てこない、読書に熱中しすぎて気がついたら時間がたっていた…ほんの少しの「我慢」「想定外」が耐えられず、「何なんだよ!!!」と癇癪のスイッチが入っていました。

ところが、服用後3日目あたりから、癇癪が激減。今も「イラッ」としている様子は見られますが、爆発に至らず普通の口調で伝えられるようになりました。

見通しを立てられるように

癇癪の原因となっていたのが、見通しを立てられないところでした。サピックスに通っているのですが、課題が3つ以上あると全体の量が把握できなくなり、「もうやらない!」「こんなにできない!」と爆発していたこれまで。

服用一週間にして、自ら問題集に取り組み始めた

本日、久々に、自ら「問題集をやる」と手に取り取り組む姿が。「できそう?」と尋ねると「簡単だよ」という頼もしい答えが返ってきました。まだまだ負荷は軽いままなのでどこまでの効果があるのかは分かりませんが、「この課題なら10分でできる」と判断できる程度の判断力・見通し力は復活した模様です。

過集中・こだわりが消えた

これまでは趣味のジオラマづくりや読書など、ありとあらゆることにもっと「没頭」したくて、自分が一人しかいないことにすらいら立つ様子でした。薬の服用後、そのような過度の集中・こだわりが消えました。

薬の副作用で頭がぼーっとすることも作用していそうですが、つまらなさそうに寝転がっているのみ。本を読んだり何かを作ったりしても、30分ほどで切り上げています。以前だったら熱中して取り組んだだろうペーパークラフトに関しては、素材を準備したのに着手せず。

意図せざる作用

効果を感じる一方で、意図せざる症状も出現しています。

判断力の退行

最も大きいのが判断力の退行。小学4年生であれば「してはいけない」と判断ができるであろうことを、平気でするようになりました。

例えば食卓の牛乳パックを倒したり。箸を指ではじいて床に落としたり。それも、ニコニコしながら、まったく悪いと思わない様子で。なんでも触りたがる3歳児に戻ってしまった感じです。

重いもの、壊れるものを投げたり落としたり、ということはしません。「危ない」の感覚は残っているのですが、「してはいけない」が丸っと消えた感じ。特に薬を飲んだ1時間後くらいに顕著に出ます。

入眠時の不安感の強まり

特に夜間の不安感が強まっています。薬の服用後は一度も一人で寝付けていません。赤ちゃんを寝かしつけるように横に親がいて背中をさすってやって、ようやく入眠できます。

眠気を感じながらも、心を落ち着けることが一人ではできない様子。眠いのにベッドから立ち上がって、家をうろつきまわってしまいます。

寝起きの不安定

服薬開始3~5日目に特に顕著でした。うとうとと昼寝をしてしまって午後に起きた時に、錯乱しました。顔を真っ赤にして泣いて泣いて、クッションを振り回して頭を床に打ち付けて。些細な原因で怒りを爆発させる「癇癪」と違い、赤ちゃんのギャン泣きに近いような状態。薬の効果が安定してきたのか、数日で収まりました。

幻覚・妄想の強まり

もともと、実際には悪口を言われていないのに「悪口を言われている」「嫌われている」等の被害妄想がありました。今は学校に行っていないこともあり被害妄想的発言はありませんが、その代わりに「見られている」「聞かれている」と訴えてくることが増えました。

家の中に「50体くらいの生き物がいる」と言ってイラストを描いてくれたり、「空に目がある」と言ったりします。また、家の中で虫が出た直後から、家のあらゆる場所に虫が見えると言うように。脚を虫が這っているといって飛び上がる時もあり、新たな症状として心配しています。

副作用

眠気

最大の副作用は眠気でした。薬を2種類飲んでいるのでどちらの副作用か分かりませんが、服用初日は15時半まで昏々と眠り続けました。その後は正午→11時→10時→9時と少しずつ起きる時間は早くなっています。

また、一度朝から外出に連れ出したときは起きていたので、「起きられない」ではなく「刺激がないと寝てしまう」傾眠状態なのかもしれません。

食欲の減退

食欲がめちゃくちゃ減りました。もともと朝は食が細い子でしたが、まったく食べられなくなりました。ただ、ドーナツのような好きなものは食べられるので、「嫌いなものを我慢して食べるのをやめた」という状態なのかも。匂いや味覚に過敏なので、においや味で嫌になり、食欲が失せてしまうという風に見ています。

効果が安定するまでには3週間

薬の効果が安定するには最大で3週間がかかるそうです。これから本格的な夏期講習が始まるので、ストレス(刺激)が増えます。薬を飲みながらどれだけ日常生活ができるか、引き続き見守っていきます。

トモ子

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