帰宅中に夫と鉢合わせ もみ合いの末に夫が警察を呼んだ

白目トモ子(筆者)
マスコミの片隅で息も絶え絶えの記者。週末キャンピングカー住まい。子供との野遊び、中学受験、家計簿、時短収納を記録。自身も中受経験の経験組。

一泊だけ外泊をしたところで、考えは何一つまとまりませんでした。もう少し時間が必要。他のビジネスホテルを予約して、あと何日かの冷却期間を置く計画で、家に向かいます。

その時点で長い目での計画が何かあったわけではありません。とにかく夫から離れたい一心。顔を合わせれば口論ばかり。そんな状況は子どもたちにとっても良いわけがありません。

「離婚してくれ」とも言ったけれど、すんなり離婚に同意するとも思えませんでした。また、本当に離婚に進むのであれば、重大な決断になるからこそ、しっかりとした冷却期間を置く必要があるとも分かっていました。

いずれにせよ、時間が必要です。いったん家に帰り、追加で荷物を準備しよう。週末にかけてあと数泊ビジネスホテルに泊まって、家を借りるなりなんなり、その先のことはそこから考えればいいや。

家に帰ると、子どもたちがいました。学校に行く気にならず休みをとったようでした。子どもたちがテレビを見ている横で、ビジネスホテルを探します。追加で4泊。4泊もあれば、きっと何かしらの結論が出るでしょう。

ホテル泊の先のことを考えます。子どもたちは私が引き取るつもりでした。夫はおそらく簡単には家を出ないでしょう。であれば、私が子供たちを連れて家を出る必要があります。そのためには住まいが必要。場所はどこがいいのだろう。家の近くが良いのか、少し離した方が良いのか。いくつかの候補地で、賃貸物件を探します。

それなりの設備を求めると、家賃も初期費用もそれなりにかかりそうでした。金額を見て一気に現実に引き戻されます。今思えば、そんなネットサーフィンは時間の無駄でした。さっさとビジネスホテルの予約をして、さっさと家を出ればよかったのに。現実逃避も兼ねて、間取りを見て想像を膨らませて。まるで新生活が始まる新社会人のように。

気が付けば、帰宅してから2時間ほどが経過していました。そして間が悪いことに、夫が帰ってきたのでした。

「は? なんで?」 呆然とする私に、「子どもが心配だったから」と夫。覚えているのは夫の憔悴しきった顔と、その顔に対して吐き気のような嫌悪感を感じたこと。そこから先のことは、私は断片的にしか覚えていません。

確か私は、夫から逃げ回るようにしながら、必要な衣類をカバンに詰めこみ、家を出ようとしたのでした。私の行く手を阻む夫。階段の踊り場でもみ合っていると、夫が足を滑らせて階下まで落ちていきました。それを見て泣き出す子供たち。「行かせてよ。もう無理だから。放してよ」玄関まで到達した私を力づくで抑え込みながら、夫は警察を呼んだのでした。私を行かせないために。

なんで警察を呼んだのか? 後日、私は夫に尋ねました。それも、夫は「加害者」の立場で警察を呼んだのでした。妻が家を出ようとして、パニックになりました。僕が加害者です。来てください、と。

「自分が怖くなったから。いったん外からの介入を得なければ、自分が何をしでかすか分からなかった」それが彼の答えでした。

トモ子

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