母も倒れた①　荒れる子どもと在宅勤務　行き場なくなり詰んだ母

こんにちは白目トモ子です。あまりに毎日白目なので、白目トモ子と改名しました、よろしくどうぞ。長男のメンタル不調に付き添って１カ月半。ジェットコースターのような日々でした。死にたいと暴れたり、クズだのカスだの口走って止められなくなったり、怒り噴火してクッションぶん投げ始めたり。在宅勤務の傍ら対応を続けていましたが、次第に私も脳内バグることが多くなり、ある日、ついに動けなくなりました。

薬をやめ、精神のバランスを取り戻した長男

長男が精神のバランスを崩し始めたのは６月後半からのことでした。もともと癇癪持ちで気分は乱高下するタイプではありましたが、このころから幻覚が見えたり聞こえるはずのない声が聞こえたりするように。癇癪自体はトゥレット症候群の特性の一部と考えていた我が家。ただ幻覚となると話は別です。統合失調症なのか？　それとも他の精神病なのか？　心配して児童精神科の予約を取って、７月から受診を始めていました。

ひょんなことから「睡眠障害対策」として処方されていた「エビリファイ」という薬の副作用を疑い、いったん休薬。すると、少しずつではありますが本来のはつらつとした長男が戻ってきました。幻覚・幻聴といった症状も消失。過度なこだわり、パニックも徐々に和らいでいきました。

良くなる長男に反比例して、動けなくなる私

「良かった…これで、元に戻る。あとは発達障害の検査をしっかりして、環境を整えていこう」

夫との間でそんな話ができるようになった８月下旬。長男の回復と反比例するように、私自身の気分の落ち込みを感じるようになりました。長男の対応をしている間はまだ良いのです。病院に連れて行ったり、勉強に付き合ったり。体調が回復してきたとは言っても本来の凸凹発達特性なりの難しさはあり、突然の不機嫌にもうまく対応しながら。

問題は長男の対応以外の部分でした。何もできない。体が思うように動かない。これはまずいと思って気分転換に散歩に出ると、臨月妊婦のように体が重く、駅まで歩いて帰ってきただけでベッドに倒れこんで１時間動けなくなる有様で。

「あ、壊れた」と思った

困りました。長男の様子を見ながら、在宅勤務で仕事をしなければいけない。長男のメンタルが最も荒れ、街中でも叫びだし、ファミレスの紙ナプキンを泣きながら食べてしまうような異常行動を取っていた時は、なんとか隙間時間でPCを開いて仕事を進めていました。

それが、全くできなくなったのです。長男が多少落ち着いて読書するようになると、私は床に身を投げ出したままもう動けない。動かねばと思うとツーと涙が一筋。

あ、壊れた。火事場のバカ力を使い切った。そんな感じでした。

在宅勤務に病んだ家族　追い詰められていき場がない

夫が何もしなかったわけではありません。むしろ、積極的に長男を連れ出してくれていました。営業外回りに連れ出して、近くの図書館で長男に読書をさせておいてくれたり。夜は夜で子供たちをプールに連れ出してくれたり。

連れ出してくれた数時間は、気持ちがスーッと整うのですが、皆が帰ってくるとまた頭に靄がかかったようになってしまう。家の中で誰かの叫んでいる声が聞こえるだけで、脳がぎゅーっと絞られたスポンジになっていくような感覚。

おそらく、頭の片側で仕事のことを考え、もう半分で長男の機嫌を伺いながらの生活が続いたことで、脳がもう極限まで疲労していたのかと。数時間の一人時間くらいでは回復できず、かといって原因は家族そのものなので、逃げ場もない。

俺は仕事もできないの？　夫が放った一言

そんな中、夫に取引先接待の予定が入りました。「明日遅くなる。帰りは９時かな」

「え？　９時？」

行くのは仕事なのでしょうがない。でも、私はこんな疲労状態で、日中は長男の癇癪をなだめすかしながらの在宅勤務、夕方以降は床が抜けるような兄弟喧嘩を仲裁しながら夕食食べさせて寝かしつけまで？　全く自信がありません。

無言で見つめ返す私の表情に、抗議の意思をくみ取ったのか。夫が吐き捨てるように一言。

「仕事なのに。俺は仕事もできないのかよ」

メガトン級のパンチ来たー。でも言い返すと泥仕合。

「ふーん、分かった」

言いたいことは山のように、それこそエベレスト突き抜けて月まで届くようにありましたけど、何をどうすれば私自身の生活が正常化するのか私にもさっぱり分かりません。お互いベストは尽くしているけど、母でもあると同時に、一応は働く人間でもある私のベストには到底届かない現状。

このままだと本格的に壊れるわ…。そう思いながらも、建設的な話し合いができそうにない中、言いたいことはすべてこらえてぐっと我慢をしたのでした。