ようやくたどり着いた心療内科。非常に良い病院でした。もらった薬は軽めでしたが丁度よく、無理しないでもっと早く行けばよかったと思ったくらい。今後の更年期も気になるアラフォーの私。「心のかかりつけ医がいるのは、これからの人生、ありがたいことかも」。イライラが薄くなった世界を見て、少し考えが変わりました。
心療内科は最高に良かった
心療内科に行くのは緊張します。心の調子について話さなければいけないので、話しやすい先生なのかどうか。患者の顔も見ないような5分診察だったら嫌だなとか。もちろん事前に口コミを読んで選んだ病院ではありましたが、行ってみないと分からない相性もあるもので。
結論、めちゃくちゃよかったです。
病院っぽさが全くないシックな内装と間接照明。高級そうなスピーカーから音楽が流れ、病院にありがちな張り紙すらない。受付の人は清潔感がありつつ、ほどよく抜け感のあるそろいのウェアを着ている。完全予約制で他の患者さんはほとんどいない。待ち時間もほとんどありませんでした。
カウンセラーさんとの面談を経て通された診察室で「今回はどうされましたか」と聞かれます。
「それは大変でしたね…」傾聴に涙目
長男との夏休みは本当に大変でした。死ぬ死ぬと言って暴れる長男を床に組み伏せて絶望的な気分になった日。次々と想念が湧き上がって、そのスピードに本人すら追いつけず癇癪を起して親子ともに疲弊した日。家の中にも空にも変な生き物や顔が見えると絶叫した日。こんな日がこのまま日常になったらどうしようと不安で、薬なのか病院なのか、何を変えれば良いのか分からず検索しまくった日。
しかし、「どうされましたか」と改めて聞かれると、あまりに多くのことがありすぎて、言葉が全く足りないのです。結局言えることは、癇癪でキレ散らかす長男の面倒を見ながらの在宅勤務が続き、疲労感で最終的には動けなくなったこと、仕事の方は続けられなくなり有休を消化していること。長男の体調は夏休み開始直後と比べるとだいぶ落ち着いてきてはいるものの、休み明けへ向けてどうなるか分からないこと、程度。
「それは大変でしたね…」
しっかり耳を傾けてくれるドクター。そういう傾聴テクニックなんだろうと分かっているけれど、話を聞いてもらえるだけで救われます。話した内容自体は全然、夏のあの現実を思うと、さわり程度でしかありませんでしたが。
思えば、自分がどう感じているかなど、話す機会がありませんでした。在宅勤務で雑談などありませんし、近所にもママ友はいない、コロナで友人と会う機会もない、夫とは険悪というないない尽くし。だから私はせっせとブログを書いてきた訳ですけれども、口に出して説明するという作業はまた別物で、泣きませんでしたけど涙目。
抗不安薬は痛み止めみたいなもの
そして憎らしいことに、患者側に、これまたおしゃれなティッシュケースがさりげなく置いてあるんですね。私はここでも無駄に負けず嫌いを発揮して「泣いたら負けだ」と堪えるんですが、ここで泣く人も多いんだろうな。「あ、すみません、ちょっとティッシュを」とかって。
「生理前に気分が不安定になることなどはありますか?」との質問に「ある」と答えると、生理前症状にも効果がある薬にしましょうと、加味逍遙散という漢方を処方してくれました。あと頓服として軽めの抗不安薬。
抗不安薬は「痛み止めみたいなもの」とドクター。なるほど。飲むと割とすぐに効果を感じますよ。ただ抗不安薬の方は若干依存性があります、とのこと。薬についての質問にもしっかり答えてもらって、診察は終了。全部でかかった時間はカウンセリングと診察で合わせて45分くらい。
太郎はまだ不安定さを残していて、1人で不安な留守番をしています。「ちょっとごめんね」と心の中で謝りながら、病院が入る雑居ビルを出た後、近くの商店街でパンだけ買って、薬局で薬をもらって急いで帰宅。ドキドキしながら最初の薬を飲みました。
イライラしない世界
薬を飲んで横にでもなるのが一番良いのでしょうが、どんな薬なのか気になりまた検索。効果、効果持続時間、Twitterでの口コミなど調べます。そうこうしているうちに、少しずつ効果が。
まず最初に感じたのは、眉間にギュッとしわを寄せている力が抜けるような感覚。それに伴ってふわっと頭の緊張が解けるような感じも。見えるものに対する感じ方も少し変わったかも。普段だったら嫌な感覚がするものに嫌な感覚がない。床が散らかっていても気にならないし、子どもが喧嘩していても多少は目をつぶれる。
ほお~大らかな人が見てる世界ってこんななのかな。
私はどちらかというと神経質で細かいタイプの性格なので、まァー家の中はきっちり綺麗にしたがりますし、子どもが取っ散らかすとイライラします。それが「ちょっとしか気にならない」くらいに調整された感じ。
なにこれ、超ちょうどいいじゃん。
もっと早くから薬が手元にあれば
びっくりしました。薬を飲むとこんな風に楽になるのか……。抗不安薬というと、文字通り不安が取り除かれるというようなイメージでしたが、もうちょっとマイルドな「感じ方」の部分にも効果があり、私は大変感動しました。
病院に行く前は「体調が良ければキャンセルしよう」と考え、診察でも「長く薬を飲むイメージではない」という話をしていましたが、飲んでみて少し見方が変わりました。こんな「痛み止め」があるのであれば、必要な時に頼るのは悪くない。あれだけしんどかった夏休み期間。もっと早くから薬が手元にあれば、もう少し親子の苦しみは少なかったかもしれない。
これから更年期も気になるし、この病院はひょっとしたら長くお世話になるかもしれません。私の性格では更年期がきつかったとしても、「限界」までは我慢してしまいそうですが、心のかかりつけ医がいる、という状態はこれからの人生のことを思うと悪くない選択肢だった、とも感じていました。
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