サピックスからの電話 長男のSSでの席次は? 本番まで57日

白目トモ子(筆者)
メディアの片隅で生き延びてきた物書き。小学生男児2人を育てる。目下の悩みは不登校で発達特性ありの長男の中学受験。
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12月6日

12:00 不登校は終了か? 二日連続で昼から学校へ

今日も長男は4時間目から登校した。「教室には入るの?」と聞くと、ニヤッと笑い、はっきりとは答えない。入りたい気持ちはありつつも、実際に入れるかどうかは確信が持てないようだった。

「ま、行けたら行く感じね」と軽く返して、準備を手伝う。金曜日は個別指導の授業を入れている。下校後に一旦帰宅してしまうと遠回りになるので、学校から直接個別指導塾に行くつもりだという。ランドセルに過去問を詰め、準備は万全だった。

それにしても、ずいぶん変わったものだ。やる気も見違えるようだし、予定の立て方や準備の仕方も頼もしい。あの、タスクの山を前にして呆然としていた長男の姿とは、まるで別人のようだ。ずっと霧の中を彷徨っていた彼の目の前に、ようやく道筋が見え始めたのだろうか。

長男の最大の課題は自信のなさだった。それも、自分の能力を過小評価しているわけではなく、むしろ逆。能力が高いからこそ、自分に対する期待値も高く、それに応えられない自分を責めてしまう。

非常に高い理解力があるため、説明をすぐに理解する。しかし、理解したことを自分の力で使いこなすには大きな隔たりがあった。「分かる」から生まれる「できるはず」という期待と、実際の「できる」の間にあるギャップが彼を苛立たせ、自尊心を傷つけてきた。

そのギャップは、成績が伸びても簡単には埋まらなかった。夏の模試で偏差値53だった長男の成績が上向き始めたのは9月。順調に伸び、11月上旬には過去最高の偏差値69を記録したものの、その後、急落してスランプに突入。「夏前の水準に戻ってしまったのではないか」という不安に駆られる日々が続いた。

スランプの最中に挑んだ12月の最後の模試。偏差値は下がったものの、なんとか63をマーク。これにより秋以降の模試4回分の平均が65に乗り、一定の成果が見える形となった。

この3ヶ月間、成績が上がる中でも自分の実力を疑い続けていた長男。だが、ようやく「周囲が自分より遥かにできるわけでも、自分が圧倒的に劣るわけでもない」という事実に気づき始めた。もし負けている部分があるとすれば、それは気持ちの面。最高のパフォーマンスを発揮するためには、「自分はできる」と信じることが必要だと、悟り始めているのだと思う。

学校に行こうという心理の背景には、これまで積み上げてきた努力を少しずつ肯定できるようになった自分がいるのかもしれない。

18:00 久々の公園遊び 兄弟が砂だらけで帰宅

長男と次男が一緒に帰ってきた。歩くそばから、床が砂まみれになる。聞くと、公園で遊んだらしい。個別指導塾帰りの長男が公園に立ち寄り、遊んでいた次男に合流したとのこと。

「楽しかった!!」と晴れやかな笑顔。遊んだ相手は保育園からの幼馴染で、6年生3人、4年生3人。鬼ごっこでは、足の速い友人から見事に逃げ切ったんだと、興奮気味に話している。

小学生を遠くから発見してはコソコソ隠れていた姿が、嘘のようだ。

21:00 サピックスから電話、今後の成績をどう見ればいいのか相談

サピックスの面談担当の先生から、予想外の電話があった。こちらからは特に連絡をしていなかったのに、最近の長男の不調や現在の状況について丁寧に話を聞いてくれた。6年生ともなると、さすがサピックスも手厚くフォローしてくれるのね、と少し感動してしまった。

電話では、クラスの変更や志望校の変更についても確認があったが、こちらはこのまま続行する方向で希望を伝える。そして、最後の模試も終わり、これから本番までは成績を測る機会がない中、成長をどう見ていけばいいのか——これがずっと気になっていたので、ついでに相談してみた。

保護者会でも触れられていた話ではあったが、先生曰く「今後の指標として最も大事なのはSS(志望校別特訓)の席次」。その具体的な目安について尋ねると、昨年の在籍生徒のデータを基に大体のラインを教えてくれた。

——詳細はさすがに書けないけれど、先生の話は十分に励みになる内容だった。合格力判定資料に書かれていた数字や内容と大筋同じなのだが、実際の生徒データに基づく話として聞くと、数字以上の現実味がある。資料の文字だけでは得られない「手応え」を感じる会話だった。

追加した志望校に合格したとして、もはや「ジャイキリ」(格上を倒す逆転劇)ではない、ということも分かった。それどころか、合格が有望な生徒の一人として見られていることも、話の端々から伝わってきた。

電話を切り、すぐに長男のところへ行った。

「期待されてるんだと思うよ。でなければ、こんな風に電話は来ないよ。あなたの立ち位置も、決して悪くない。自信を持って大丈夫だよ」

親がいくら励ますよりも、塾の先生の期待や励ましの方が、彼には響く。「期待されるのは、嬉しいねえ」と長男は目を伏せ、照れたように言った。

「頑張るよ」

太郎

今はだいぶ落ち着いたけど、相当山あり谷ありの2年間だったよね。

トモ子

何度も塾にも行けなくなったし、発達外来で薬ももらって、やっと調子が整ったよね。調子も成績も整ってきたのは、6年の秋だった。

 
 
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