踊りながら受けたZOOM授業も今日で最後 本番まで4日

白目トモ子(筆者)
メディアの片隅で生き延びてきた物書き。小学生男児2人を育てる。目下の悩みは不登校で発達特性ありの長男の中学受験。
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1月28日

パンクな集中力

薬を服用している凸凹っ子にとって、中学受験の勉強は、「薬タイマー」との戦いだ。コンサータのような効き目がはっきりした薬を飲んでいる場合、その効いている間と切れた後のギャップは、人格が違うんじゃないかというレベルの二面性。それは、コナンからクレヨンしんちゃんになるような落差で、毎夕決まった時間にしんちゃん化してゆく長男を見ながら、「今日はせめてカツオでお願いしたい」と祈るのも、毎日の儀式だ。

塾など外部の目がある場所では自制システムが稼働するのだが、家では完全に無効化される。そんな長男にとって、サピックスのZOOM授業はやはり無理ゲーだった。1月、平日の授業はZOOM受講を選んだ長男。初回こそ、塾で普段稼働させている自制システムによって彼の落ち着きは保たれたが、2回目以降は「ここは家だ」という安心感が勝った。

太郎

凸凹中受、2月1日開成受験へ向けラストスパートだ!

白目太郎の中受のこれまで

小4でS入塾。S偏55からスタート。同年、発達特性と高IQが判明。ADHD薬の服薬で落ち着きのなさはおさまり、クラスはαに上昇。

小5秋に大失速、サピックス退塾。転塾、再度の退塾を経て小6の夏前からサピックスに復帰。11月にS偏65に到達。志望校を開成中学に変更し、最後の一踏ん張り中。

大変申し訳ございません

彼はまるでYouTuberに投げ銭をするファンのようにノリノリで授業に出るようになり、時々授業から締め出された。締め出された場面を私は直接見ていないので、単に回線が不安定だった可能性も否定できない。しかし、騒ぎ倒している最中に「しめ出された!」と叫ぶ声を耳にしたことを思い返すと、先生の堪忍袋が切れていたとしても不思議ではない。改めて、大変申し訳ございませんでした、先生方。

そして、級友たちにも謝らなくてはいけない。たまにZOOMの画面を背後から覗くと、問題演習時間にも関わらず、手元ではなく画面を凝視している男子たちが映っている。その中で、長男だけがまるでパンクロッカーのライブ会場のように頭を振りながら問題を解いているのだ。

級友たちが何をそんなに凝視しているのかは分からない。長男を見ているのでなければ、そこに映っているのは動きのない黒板だけのはず。おそらく、長男の妙な挙動が同級生の集中力を巻き添えにしてしまっているのだ。それにもかかわらず、視線を感じた長男が「俺を見るな!」と画面に向かって叫ぶ。いやいや、彼らからしたら「見せるな」だろう。同級生の皆様、そしてその保護者の皆様、その節は心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。

最後の激励の言葉は

そんなZOOM授業も今日で最後。「最後くらいは集中してよね」と念を押すと、長男は「僕はいつだって集中してる」と鼻で笑い、自室へ上がっていった。相変わらずの絶叫(音声ミュート)の3時間が過ぎ、そろそろ授業も最終盤に。SSの去り際は塩対応だったという先生からも、さすがに今日は激励の言葉があるかもと期待して、21時の終了間際にこっそり後ろで授業を聞いていた。すると、先生が「はい、授業終わり。2月1日頑張ってね」と言った瞬間、長男はプチッとZOOMを切った。

えっ? そこで切る? さすがのサピックスでも、もう少し感動的なメッセージがあるかと思ったのに。「なんで切ったの?先生の最後の言葉、聞きたかったのに」と抗議すると、長男は「あとは合格報告のときでいいでしょ」と涼しい顔。さすが、前だけ見て進む男。その勢いで、あと3日、突き進もう。

太郎

今はだいぶ落ち着いたけど、相当山あり谷ありの2年間だったよね。

トモ子

何度も塾にも行けなくなったし、発達外来で薬ももらって、やっと調子が整ったよね。調子も成績も整ってきたのは、6年の秋だった。

 
 
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