算数は最後まで伸びる ついに見せた大躍進 本番まで6日

白目トモ子(筆者)
メディアの片隅で生き延びてきた物書き。小学生男児2人を育てる。目下の悩みは不登校で発達特性ありの長男の中学受験。
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1月26日

まぐれじゃなかった

ついについについに、算数が最後の壁を突破した。開成の算数過去問で合格者平均に達したのが20日のこと。出願締め切り2日前というあまりにできすぎたタイミングでの目標到達に、「まぐれかも」という気持ちが拭えなかったが、最後のSSで、まぐれでないと証明してくれた。開成特訓で取り組む本番そっくり形式の「実力テスト」。これまでの最高点は50点だったのに、今回は大幅に更新して65点をとってきた。

太郎

凸凹中受、2月1日開成受験へ向けラストスパートだ!

白目太郎の中受のこれまで

小4でS入塾。S偏55からスタート。同年、発達特性と高IQが判明。ADHD薬の服薬で落ち着きのなさはおさまり、クラスはαに上昇。

小5秋に大失速、サピックス退塾。転塾、再度の退塾を経て小6の夏前からサピックスに復帰。11月にS偏65に到達。志望校を開成中学に変更し、最後の一踏ん張り中。

あまりに予想外の点数だったので、最初「56点」と空耳した。56点であっても長男にとっては十分な成長。「祭りだ祭りだ」と帰り道のスーパーで長男好物のマグロ刺身を物色していると、長男がしきりに「65点、65点」と繰り返している。「何が65点だったの?」と聞き返すと、「何を言ってるんだこの人は」とでも言いたげな顔で「は? だから、算数だよ」。

ひっくり返りそうになった。動揺しすぎて、マグロ刺身だけでなく寿司も追加してしまった。帰宅して答案を見ると、先生もびっくりしたのか、意味不明なボーナス点を1点くれて66点になっていて3度目にびっくりした。びっくりしてばかりだ。

雌伏の時を経て

開成の算数は85点満点。実際の入試では、易化した年に合格者平均が70点を超えることもあり、高得点の争いになる。しかし、サピックスの授業で扱う開成SOの過去問は、本番よりも難易度が高めに設定されている。65点を取れたなら相当健闘していると言っていい。実際、隣の子が30点台だったという話を聞けば、特段簡単な問題だったわけでもなさそうだ。

成長を確認するため、得点推移のグラフを作ってみた。ジグザグしている前半10回が冬期講習から正月特訓だ。最後の2回でぴょんと伸びたのが、1月のSSのうち出席した2回分。こう振り返るとよくわかる。冬期講習は、まさに雌伏の時だったのだと。じっと耐えながら力を蓄え、飛躍の準備をしていた時期。

授業内テストごときで「飛躍」は大げさか?いや、言わせてほしい。いま何よりも大事なのは勢いだ。本番でどれだけ自信を持って特攻できるかだ。あ、つい「特攻」なんて言葉が出てしまったが、算数がここまで伸ばせたら、「特攻」から「進撃」に格上げしてもいいんじゃないか。

算数の得点力が上がるのは大きい。冬季講習やSSで受けた開成算数の実力テスト。最低点は22点からのスタートだった。9月と11月に受けた開成SOの算数も25〜30点だった。それが65点に跳ねたのだから40点近くの上積みだ。長男が得意とする社会ではこの上積みは叶わない。合格者平均点と受験者平均点の差が最も開くのも算数だし、これは、強力な追い風になる。

それにしても、保護者会での先生の言葉通りだった。算数は1月にようやくインプットが終わり、そこからさらに伸びるのだと、その言葉を信じてやってきた。長男には7ヶ月のブランクもある。開成志望に変えたのが11月だったというハンデもある。「できなくて当然。間に合わなければ志望校を戻せばいい」という精神でやってきた暗中模索の日々の努力が、ようやく報われた思いだ。本番6日前にして、ようやく。

闇雲から薄明りへ

一体何が変わったのか。本人に尋ねると、「解き方が見えるようになった。今までは闇雲にやっていたけど、見えた道筋に沿って解き進められるようになった」と言う。その言葉を聞きながら、私にも思い出された。算数を解く長男の周りに漂っていた、あの闇。答案用紙にくっきりと刻まれた、闇雲に手を動かした筆跡の数々。

でも、だからこそ、私は信じていた。10月以降、解けなくても粘り抜く姿勢が見え始めていたからだ。SOでも、正答率数%の難問を「たまに」正答するようになっていた。その頃の視界は「ほぼ闇」だったけれど、その闇の中で格闘する姿に、成長の可能性を賭けた。

解いても解いても解けるようにはならなかったけれど、手応えが少しずつ変わってきたのは確かだった。「なんだこれ、無理だろ」が、「そうか、そう解くのか」へ、そして「これは解けなきゃいけなかった」へと。そして、最後の最後についに見えた。視界の明るさがどれほどかはまだ分からない。でも、とにかく、解き筋が見えるようになったという事実。それだけで、勝負は変えられる。

母親が浮かれていようと、最終的に勝負を決めるのは、長男が一人で挑む本番だ。算数で掴んだこの追い風が、本番当日まで勢いを保ち、長男の背中を力強く押してくれますように。どうか、どうか、風よ、やまないで。

太郎

今はだいぶ落ち着いたけど、相当山あり谷ありの2年間だったよね。

トモ子

何度も塾にも行けなくなったし、発達外来で薬ももらって、やっと調子が整ったよね。調子も成績も整ってきたのは、6年の秋だった。

 
 
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