計算問題に癇癪爆発 凸凹の激しさに原因があるの?

白目トモ子(筆者)
マスコミの片隅で息も絶え絶えの記者。週末キャンピングカー住まい。子供との野遊び、中学受験、家計簿、時短収納を記録。自身も中受経験の経験組。

長男の通塾がはじまると同時に、我が家に帰ってきたものがあります。長男のイライラ。高いワーキングメモリと相対的に低い処理速度の差に原因があるのでしょうか? イライラ爆発する長男への接し方のヒントを得るため、ギフテッドの名著『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』を読み返すなどして過ごしています。

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計算ドリルに癇癪爆発

1月にはサピックスの再入室テストから逃走するというハプニングもありましたが、無事に中規模塾に入塾して、なんとかかんとか通塾が軌道に乗りつつあります。大変喜ばしい一歩ではありますが、好きにマインクラフトで遊んでいた11月~1月とはうってかわってピリピリする我が家。長男のイライラが帰ってきました。

長男のイライラは、例えばこんな具合。勉強を始めようとします。宿題を確認すると、計算問題をやれと書いてあります。嫌々ながら計算ドリルを開きます。そこで大絶叫。「うわぁぁっぁぁぁぁ!!!!」

やらなきゃいけないのは分かっている。でも今はやりたくない。後伸ばししたところで、やりたくないままなのも分かっている。どうせやらなければいけないなら、今やるべき。でもやりたくない。その堂々巡りの中で頭がエンスト。白煙ぼうぼう上げながら絶叫が続きます。

近くに次男がいれば当たり散らします。「クレヨンしんちゃん見てるんじゃねえ!」。タブレットを抱えて逃げる次男。クッションを投げる長男。5分10分騒ぎ続けて、エネルギーが枯渇すると諦めて着手したりするのですが、その前に私の堪忍袋の緒が切れることもしばしば。

長男の通塾再開とともにこんな日々も戻ってきました。

WMとPSIの約30の差は関係があるの?

それにしても、計算問題ごときでなんでここまで激しくいらいらするんでしょうね? 中学受験するからには、逃げられないのが計算問題。腹くくって取り組むしかないのに、能力のアンバランスさのせいでそうなっているのでしょうか。

計算問題に関わりそうな部分は処理速度(PSI)とワーキングメモリ(WM)ですが、長男の場合、PSIとWMの間に約30の差があります。処理速度が115。WMは144。WISCーⅣで見ているのは彼の能力のごく一部とのことですが、さりとてこの差は気になります。

直線的な計算処理であれば強いのです。例えば、1本あたりの値段が分かっていて、それを70本分に掛け算して、それから30人で割るというような計算。こうした情報を一時的に記憶して暗算するのは問題がない。むしろ早いし正確です。これは高いWMがいい具合に働いていてくれているのでしょうか。

問題は、計算が頭の中で完結できなくなった時に生じているようです。例えば▢のある計算など、要所要所は書き留めなければ進められない問題。高速で回転できてしまうWMと、手や目も連携させて処理しようとするPSIがうまく連動しないんでしょうか。

先のような計算であればいったん頭の中に情報をインプットすれば手も目も使わず頭の中だけで処理できますが、▢のある計算は常に計算式を見ながら、次に処理すべき計算を探して書き留めてと、頭と目と手をフル動員しなければならないんですよね。そこの部分の難しさなのか? 知りませんけど。単なる親の観察と憶測です。

で、上手に解けないのは脳なり手なりが協働しないからだとして、解けずに癇癪にまで至るのには、凸凹に加えてさらに別の特性があるのでしょうか。それは一体何なのだろう。何故なのだろう。

それにしても、処理速度も決して低いわけではないので、うまいこと協調してやってくれれば良いのにね。診察で「これだけ差があると大変」と言われたこともありますが、全体で平均以上なのだから、WMさんにはチームワークをお願いしたい。

と、のんきに観察ばかりはいられないのが辛いところで、勉強するたびに叫んで「俺は勉強してるんだよ!!」と叫んで次男に当たり散らしているのはたまりません。カッチーンときて思わず介入してしまいます。「イライラまき散らしてまで勉強しなくていい!!」

『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』を読み返す

いかんいかん。まだ勉強再開してわずかなのに。もう少し穏やかな接し方をしなければ。ということで、最近またギフテッドの名著『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』を読み返していました。

大人が「つべこべ言わないで、やりなさいと言ったらやりなさい!」のように言えば、ギフティッド児は口答えし、怒り、反抗し、さらには開き直ってみたりするものだと肝に銘じておくとよいだろう。

『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』

ぎくっ。

子供時代にいつも、「つべこべ言わないで、やりなさいと言ったらやりなさい!」と繰り返し言われていた子どもが質問などしなくなるということは、想像に難くない。このような独裁的な方法で育てられた子どもは、あとになって人間関係における「学習性無力感」(物事は変えられないという思い込み)を抱くようになる。

『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』

それは嫌です。

改善、成長、健全な自尊感情の獲得は、ゆっくりと時間をかけて着実になされるものだ。ひとつひとつの小さなステップを励ますことは、ちょうど意欲を高めるのと同じようにしつけにおいても重要だ。自律性や自発性は学習により身につけるスキルだ。(中略)ギフティッド児は成功したことよりも失敗したことやなかなかうまくいかない部分に注目してしまうために、自信をなくすことがある。

『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』

自律性、自発性。長男に欠けているスキルです。小さなステップを励まして身に着けられるようにしていきたいものです。

また、ギフテッドは凹の部分を強く感じやすいと言いますよね。計算に関しては、多くの計算を暗算でできることよりも、簡単な▢埋め問題ができないことで、不完全さを感じてしまうのでしょう。

ギフティッド児はどんな子供よりも努力やうまくできたところを大人から認めてもらう必要があるだろう。そして、自分の弱点ではなく長所に注目して自己評価ができるような励ましが必要だ。

『我が子がギフティッドかもしれないと思ったら』
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