小4長男太郎の精神不調の話をしばらく書いてきましたが、少し距離を取って太郎を眺めていると、彼のイライラの原因には理想とかけ離れた自分の姿というのがあるように見えます。激しすぎる「やりたい」とどう付き合えばいいのか、悩んでいます。
飛行機を飛ばすと工作を始めた
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昨日で子供たちの学校は終わり。4時間授業だったので早めに帰ってきて、太郎は即座にダイソーに行きました。「夏休みの工作の材料を買ってくる」と言って。そして買ってきたのが、発泡スチロール製の飛行機。最初から狙っていたようです。休みに入ったら飛行機を作ろうと。
あ、ついに着手したな、と思いました。実は数カ月前の次郎の誕生日でラジコン飛行機を買っていたんです。躯体にバッテリーとリモート操作のプロペラ、タイヤがついていて、簡単な操作ができるリモコン飛行機、6000円くらいのやつ。
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だけど、公園で遊んで15分で墜落、大破。6000円が、15分ですよ? おまけに誕生日当日です。子も泣きましたが親も泣きたかった。とぼとぼと家路について「高いのはプロペラだからそれは取っておいてまた作ろう」と約束してたんです。
とは言いながらも、実際どうやって作るのかなんて計画はしていませんでした。でも太郎はちゃんと覚えていた。使えそうな飛行機をダイソーで見つけていて、夏になったらやろうと決めていたみたいです。
着想、即行動、だけど…
この行動力、太郎の長所だと思います。一度「やりたい」と思ったら忘れない。その思いは時に「雨風雷雹の中でもダイソーに行こうとする」という頑固さとなって親を困らせますが、並外れた行動力は大したものです。
だけど、たいてい、太郎のしたいことは実現しません。今回作った飛行機も飛びません。モーターをつけたせいで全体の重さのバランスが崩れてしまったというのもあるし、そもそも滑走から離陸するほどの馬力があるモーターではありませんでした。
そして、太郎はどうなるか。イライラします。イライラしながらも、作り直してみたりします。でも飛ばない。やがて次男のおもちゃになり、次男がいじくっているうちに壊れ、兄弟大げんかして阿鼻叫喚、あとはお察しの通りです。
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理想の難易度が高すぎる
何をするにつけても、めちゃくちゃ理想が高くて本格的。例えば一カ月前は、遊園地を作ると鼻息荒くあれこれ調べて計画を練っていました。調べるって言っても、おもちゃとかじゃないんです。不動産検索サイト。遊園地を作れる規模の土地がいくらで販売されているのか、調べてるんです。何千万だとか言って。
はあ?
って思いますね。そのお金どこから出るの? 正気なの?
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当の本人は大まじめです。有名な遊園地の面積を調べて、大体の場内マップも書いて、こんな遊園地を作るのにどの土地を買えばいいかって本気で悩むんです。
遊園地熱は2~3週間で収まりましたが、彼の頭は次にしたいことでいっぱい。ノートにも色んな「計画」が構想とともにびっしり書き留められています。
そして絶対諦めない
ある時はジオラマで壮大なスケールの戦場を作りたいと言い出しました。欲しいものをすべてポストイットに書き出して、何十枚にもなって、全部の金額を足し合わせたら9万円になりました。
そうしたら、普通諦めるじゃないですか。
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諦めません。僕のお小遣いが600円で、お年玉がいくらだから…中3までには作り終わると計画するんです。だんだん親の励ます声が細く小さくなります。「そこまでやるんだ…続くといいね…」
大人だったら、理想と現実の間の距離を測って「このあたりで妥協しよう」と着地点を探りますね。でも太郎の中で諦めるというのは「負ける」「挫折」という感覚。忘れることはあっても、諦めない。覚えている限りは絶対に。
病的だけど、才能だと思いたい
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頭の中はこんな感じ
この粘着質な性格、正しい方向に向かえば大成するんじゃないか…と親としては思っています。例えばイーロン・マスクのように。彼は自身がアスペルガーであることを公言しています。wikipediaで読める経歴以上のことは知りませんが、尋常じゃないです、この人。
イーロン・マスクになれるかどうかは夢みたいな話ですけど。太郎が持つ特質が何かしらの才能の原石なのだとしたら、潰してはいけないというプレッシャーも感じます。病的ですけど、万に一つの可能性で天才かもしれないし、9割願望ですけど天才であってほしいなという思いで。
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