「ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法」を再読して

白目トモ子(筆者)
マスコミの片隅で息も絶え絶えの記者。週末キャンピングカー住まい。子供との野遊び、中学受験、家計簿、時短収納を記録。自身も中受経験の経験組。

読書感想文みたいなタイトルをつけましたが、この本全体についての論評をするわけではなく。改めて読み返してみて長男について気が付いたことのメモ。

このページの内容

「ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法」を改めて読んでみた

ちょっと体調が悪かったのでお休みをもらって本を読んでました。読んでた本はこちら。

買ったのは1年以上前。WISC-Ⅳも取る前でした。読むとあまりに様々なことが当てはまるのですが、IQが分からない状況では何とも言えず。自分の中のどこかに、こんなに子育てが大変ならせめて「ギフテッド」であってくれよという捻じれた思いがあったこともあり、「この本の通りだと思いたいがために現実をゆがめて解釈してるのだったら嫌だな」という恐れのようなものも感じながら、意識的に距離を取るように読んだのを覚えています。

そこから1年ちょっと。WISC-Ⅳをとったら思ってたよりずっとIQも高低差もあり、長男の特異性のいくばくかはやはりIQの高さとアンバランスさから説明できるのだと分かってきました。そういった観察を積み重ねた上で再読してみると、初回読んだ時とは違った発見が沢山ありました。

最初に発達外来にかかってからまだ1年半ですが、状況は日々目まぐるしく変わっていきます。薬によって困り感が軽減されていたり、新たなストレスが発生して以前とは違う形で困り感が強まっていたり。定期的に記録を残すことの重要性を感じているので、一人の男児の記録としてお読みください。

過度激動(OE)が強いのかもしれない

以下、過度激動についての説明の抜粋です。

  • ギフテッドには環境からの刺激に対する感受性や興奮性が高く、時に強い反応を示すことがある
  • 脳神経の興奮のしやすさがある
  • 精神的・行動的に過剰に反応してしまうため、日常にある疑問や矛盾に気付きやすく、強い関心やモチベーションを持つ
  • 過度激動による反応は周囲と差異を生みやすく、本人の中での葛藤や集団生活上の問題につながることがある

どれもめちゃくちゃあるあるです。目にも耳にもアンテナ100個くらい付けてるの?という反応のしかたをします。個別に見ていきます。

刺激に対しての制御が苦手=感覚性OE

まず、地獄耳。家の中で親が話していると、どんなに小さな声で話していても割り込んできます。ただ聞こえるだけじゃなくて、聞こえてきたことについて何らかの考えが浮かんで、それを言わずにはいられないという状態。親からすると「関係ないからあっち行って」ですが「関係ない」などあしらうと激怒。一から状況の説明を求められ、相手するだけで大変です。

無秩序な音や突然の爆音に苦痛を感じるのも特徴です。可哀そうだったのは音楽のリコーダーの授業。個々が練習する時にはメロディーなどない音の集合体にさらされることになり、とても教室にはいられなかったそう。結局ほとんど授業を受けられず、準備室で耳をふさいでいたそうです。通学路ですれ違うバイクの音がダメで、叫びながら座り込んでしまうことも良くありました。

音への過敏性は早くから気が付いていたので、先生に伝え、イヤーマフを使ったりしていました。ただ天気が悪いと音への耐性が下がりがちで、昼休みの教室のガヤガヤですら耐え切れなくなり保健室に避難したりと対応に苦労していました。他の人が感じないレベルの微細な環境変化でも、彼にとってはダブルパンチトリプルパンチになるようでした。

困り感として顕著に現れてくるのは「音」でしたが、触覚(同じ服しか着ない)、味覚(偏食)、視覚(地面を這うダンゴムシが見ないようにしても見えてしまい、公園に入れない)でも見られました。ダンゴムシはどうかな。感覚性OEだけでは説明できないかもしれないですが。

感覚過敏と感覚性OEとの違いは、ポジティブな反応も強いことだそうです。ポジティブな反応はあまりない気がするので、やはり感覚過敏なのか??

知的好奇心がやたらと強い=知性OE

今回読み返して最も発見があったのはこれです。「知性過度激動(OE)」という分類。「ギフテッドの子どもに見られる知的・言語発達の早熟化は、知性過度激動が関わっている可能性もある」そうです。つまり、脳神経の興奮のしやすさが知的な刺激に対してもあるということでしょうか。

長男の場合は、好奇心の強さと、知識欲の強さという部分に現れている気がします。好奇心が向く先は一定のジャンルではなくオールジャンル。算数系ギフテッドのように特定の分野に特別な関心を示すのではなく、博物学的な好奇心と言うと分かりやすいでしょうか。好奇心の強さが時期によるかなり変動するのも特徴です。

休みの日の行き先では、博物館など学びがある場を好みます。文化祭を回っていても、出店などより学術的な発表に目が行く様子。あることにハマると、学術書でも手当たり次第に読みます。

例えば今年の夏の例で言うと、ビルに関心を持つとビル写真集から高層建築についての専門書まで。カニ漁船に関心を持つと、漁業についてから船舶工学についてまで。一心不乱に読んでますが、何をどこまで理解しているのかは分かりません。「好奇心の赴くまま読んでいる」という状況に、満たされるようです。空腹が満たされるように、知的に満たされるような。

インプットした知識をアウトプットするのも大好きです。その日新聞で読んだこと、塾で習ったこと、本で読んだこと、相手の興味関心に構わずしゃべり倒します。この状態が「快」なんでしょう。

気にくわないと大癇癪=情動性OE

最後の一つは情動性OE、つまり癇癪です。正確には感情が乱高下しすぎてコントロールが難しいという状態のよう。これにはずいぶん悩まされましたね。癇癪起こして鉛筆バキバキとか、外でも叫びっぱなしとか、そんなんばっかだったので。

ストラテラを飲み始めてから、癇癪は目に見えて減りました。正確にはストラテラは癇癪対策として出されているわけではないのですが、なぜだか癇癪も減りました。なぜだろう。

それと同時に、聴覚の過敏も、知的好奇心も、薄らいだように感じていました。全体にあらゆることへの反応がマイルドになって、最後に「ちょっとイライラしやすく」「ちょっと敏感で」「理屈っぽい話し方をする」子どもが残ったというのが今の状況。

薬のおかげで穏やかになったな、という程度の認識でいたのですが、この三つが神経学的(?)に関連しているから、一見関係なさそうなこれらが、全部治まっているのでしょうか。

過度激動について書いてたらこんなに長くなっちゃった。上記は太郎に当てはまるところだけ取り上げて書いているので、気になる方は本を読んでみてください。他にも発見はあったので、続きは(覚えていれば)また書きます。

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