有休の取得に入って数日後。心療内科の予約の日になりました。行くかどうか迷いながら迎えた当日の朝、夫への不満が爆発します。夫は夫で溜めていた不満を吐き出し、大喧嘩に発展。その気分を引きずりながら、心療内科へ向かいます。
「お父さんもお母さんも仕事できない」
発端となったのは夫の台詞でした。朝からぐずぐずする長男。あわただしい時間帯で、苛立つ夫が言いました。「そんなんだから、お父さんもお母さんも仕事できないんだ」
いやちょと待て。
苛立つのは共感しますが、「そんなんだから仕事できない」って何よ。親が被害者面するのはまず違う。太郎の態度をいさめたいなら、まあストレートに言って「ぐずぐずするな」がギリギリのライン。理想を言えば「ちょっと落ち着いて」とか言い方にも工夫が必要です。
しかしそれより気になったのは「お父さんもお母さんも」ってところ。
それは聞き捨てならねえ。
今仕事できなくなってるのは私の方で、君は仕事できてますよね? 確かに勤務時間中に沢山時間を割いてはくれていたけど、仕事する人として圧倒的にダメージ受けたの、私でしょ? それを何? 「父さんも母さんも」って、何でそこ同列? 何なん偉そうに。
とですね。まあ、私、ブチ切れました。
いや「父さんは仕事できてる」だろ
会社に連絡してから仕事休んで数日間。在宅勤務との板挟みになることはなくなりましたが、明けても暮れても太郎の相手。そして全く手つかずだった夏休みの宿題の追い込みに、夏休み明けの準備と、なんだかんだ動いていました。それを「やってやってんだぞ」って気持ちも、私の側にありました。
そんな私から見て「父さんも仕事できない」とか、真逆もいいとこで。いやいや、「父さんは仕事できてる」だろって。私が太郎の対応をしているから、休まずに済んでるんじゃんって。「そんな風にキーキー言ってないで、母さんにちゃんと感謝しろ」くらいはね、太郎に対してだって言っていい案件だと思ってました。
だから、言いました。
「はあー-----?何言ってんの?」ってね。
開始です。喧嘩のゴング。
こじらせて育ってきた男
うちの夫という人が、これまた面倒くさい人で。承認欲求の塊。私のことを好いていてくれるのですが、愛が重い。「ありがとう」と言われたいし、喜ばせたい。そんな人。
だから普段は楽なんです、妻としては。「うわあ、ありがとう」って喜んでいるうちは、それだけで幸せになってくれるから。だけど人生、喜んでいられることばかりでもないですね。「てめえ」って拳振り上げたくなることだって沢山あるじゃないですか。
そんな時は、もうダメ。冷静な話し合いにならない。夫は、私が怒ってることに対して怒り始める。私は夫婦間の認識の違いについて怒っていて、それを解決しようとしているのに、相手はそもそも私が怒っていることに怒っているので。論点が永遠に一致しない。
そしてどうなるか。夫が勝手に爆発して、メルトダウンして、最終的にはメルトダウンしたことで、心の奥深くに抱えていたわだかまりを放出して、最後はしおらしくなって、謝ってくる。で、結局、私が問題としていた「認識の違い」については解決しないままに残る。
そんなわけで、今回も私の「はあー-----?」から始まるお決まりのコースをですね、たどりました。
永遠にすれ違う夫婦の怒り方
私、夫と喧嘩していつも思うんです。全ての発端はシンプルに話し合えるようなことなのに、なんでこうなるのかなって。今回のケースも「私の方が犠牲は大きかったと感じているから、今の言い方にイラついた」と言っていて、それを受け入れられるなら「ごめん」、受け入れられないなら、妥協できる点まで話せばよいことでした。(あ、もう少しきつい言い方してますけどね!)
そこにね、「俺はあの時電話したんだ」とか、「俺だって休めるよって言ったんだ」とか、「会社休んで結局やってることコレかよ」とか、もう投下してくる投下してくる。夫からの大反撃。そりゃ私もそんな風に言われたら心外ですから、倍返し。言葉の切れ味には自信あるし、飛びます飛びます罵詈雑言。
私が矢のように反撃を始めると、夫は返す言葉をだんだん失って「俺なんか役に立たない」とか「俺が悪いんだね」とか言ってくる。そこから激昂して「俺が仕事辞めればいいのかよ」って飛躍したり。「トモ子は俺の人生の被害者だ」とか自虐に走ったり。
私は全然優しくないので、そう言われたらこう返します。「結局私に『そんなことないよ』って言わせて、自分を認めてほしいだけだよね。そういうのやめてね、めんどくさい」
きっつ。でも「そんなことないよ」なんて言えないです。そんなの自己愛の範疇でやっておくれよと。自己承認欲求が重すぎんのよと。単なる喧嘩にそんな重いもん混ぜ込んでくんなよと。
まあそんな具合に朝からやらかし、泣かされて、もう薬でも何でも下さいなと、心療内科にたどり着きました。「体調良くなってたらキャンセルしよう」とか最初は思ってましたけど、誰でもいいから話を聞いてと。喧嘩したのが予約の日で良かったななんて、思いながら。
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