そして迎えた管理職面談。開口一番、謝られました。私が8月中旬にSOSを発していながら、すぐに対応せずに申し訳なかったと。しかしその後聞かれた質問に、またモヤモヤした違和感が。
開口一番の謝罪
管理職の面談の日になりました。この管理職はこれまでも何度も書いてきた、例の管理職です。太郎の発達障害について話すと「発達障害、他にも多いよ」と発言したり、いよいよ厳しくなってきて連絡しても1週間以上放置したりした、例の上司。
今回の面談では、なんと、開口一番謝られました。「君は8月に一度連絡をくれていたんだよね。その時にすぐに対応すればよかった。申し訳なかった」と。突然の謝罪だったし、「そりゃその通りですね」としか言いようがなかったので、しばし無言。「あ、はい」とひきつった顔で返すのがやっとでした。
「通常の勤務の範囲内」だったか?
しかしその後の面談ではやはり何とも言えない違和感が満載。何でなんだろう。しばらく考えて、私ようやくわかりました。会社の制度ありき、手続きありき、考課ありきで話すから、目の前の人を見ていない。困りごとを理解しようともしないし、当然アドバイスもない。多分そういうことだなと。
今回の面談で聞かれたことの一つに、私の体調不良が「通常の勤務の範囲内」で起きたことなのかどうか、という点がありました。しかしこの質問自体が、ものすごいずれているわけですよ。
私はそもそも仕事で潰れたわけではありません。より正確に言うと、仕事単体で潰れたわけではない。仕事しかしないで済む世界があるのであれば、生き生き仕事してます。しかし、そんな世界は私には存在していませんでした。
平たく言えば、両立が困難だったというそれだけの話です。両立というのもかなり特殊な状況で、学校からも塾からもこぼれ落ちた発達に困難を抱えた子供がいて、かつ小4で学童のような安定的な行き先もなくて、病院にも通っていたけれど医師と親のコミュニケーションが不十分だったため薬によって逆にこじらせてしまったような状況で、そんな不調が夏休みに爆発し、在宅勤務と無理に両立しようとしたがために、私の精神がもたなかった、という話。
まあでも、結局は両立困難という話。通常の勤務の範囲内かどうかはともかくとして、ありえない両立の困難に直面して、それが無理だったという話。
在宅勤務者に押し付けられた両立の工夫
急に話を一般化しますけど。在宅勤務制度と子育てとの相性についてちょっと考えていることを。子どもが病気でも働きながら面倒を見られるし、わざわざ丸一日の有休を取らなくていい。在宅勤務は一見、子持ち労働者にはとてもありがたい制度なようでいて、実は諸刃の剣だと思います。そして、管理職にとっては楽ちんな制度。
コロナだ休校だって子持ち従業員が騒いでいても、「いいよ、在宅勤務で」って許容しておけば、会社は回る。在宅で個々の従業員がどれくらいの成果を出せているのか。個々人あるいはチームの困りごとは何で、足りない制度は何なのか。様々な課題が当然噴出するわけですが、「同じアウトプット出してればいいよー」って寛容を装っていれば、労働者側が何とか辻褄合わせる。
辻褄を合わせる側は大変で、管理する側は楽できる制度。私がワーママ目線で総括するなら、弊社の在宅勤務制度はそんな感じです。
子どもの預け先があろうとなかろうと、コロナだろうと休校だろうと、全部おうちの中で完結してねって。在宅勤務はさせてあげるし、多少作業効率落ちても黙認するから! って。その意味で、両立支援はすごく後退したし、両立の工夫を一方的に在宅勤務者に押しつけるようになったと感じています。あ、あくまで弊社の場合はね。
病児対応がブラックボックス化
その結果、子育てに困難を抱える従業員が、管理職から全く見えなくなりました。何かというと、病児対応です。発達障害含む障害児対応も含みます。
ほぼ全員が出社していた時は、誰かの子どもが病気の時にどう仕事を回すかって、職場の問題だったと思うんです。しかしコロナ後は、それが家庭でのオペレーションの問題に回帰してきてしまった。本来は子供の預け先のあるなしって、致命的に重要な問題だったのに、家庭が職場になったとたん、あっという間にないがしろにされた。
全部出社しなければいけない勤務体系だったら、それはそれで大変だったとは思います。子どもからはしょっちゅう電話が鳴り、医者に連れていくたびに半休取って、荒れ狂う日は当日朝に欠勤連絡。でも、きっと管理職にも見えたし、SOSは届いた。
一方、在宅勤務の中で何から何まで吸収していると、職場には何も見えないんですよね。子どもが大変だとチャットで言っていても、その言葉の裏にある家庭の惨状なんて分からない。おまけに私の場合はチームで唯一のワーママなので、もはや単なるアンタッチャブルです。
最初はとてもありがたかった在宅勤務ですが、弊社においてはブラックボックスと化しすぎて誰にもSOSが届かず、私はその中で沈没したのだと。問題が噴出している子育てと仕事の両立が、家庭内でのオペレーションで乗り切るべき問題になってしまった時点で、親が病むのも必然、時間の問題だったと。
私のコミュニケーションが足りなかったという部分ももちろんありますが、そう思ってしまう部分も私の中にはあるのです。
▢に✓して手続きを回すための面談
管理職にはそんなことは言わないですけど。そんな風に思いながら面談の場にいると、会話がなにもかもちぐはぐで。「通常の勤務の範囲内」かどうかというより、適切な両立支援があったのか、管理職としての配慮義務を果たしたのかという問題でもあると思うのですが。管理職が立てた問いはどうやらそこにはないらしい。
私にはその管理職の前にある紙か何かが見えるようでした。その紙にはきっと「通常の業務の範囲内」「過度な残業」「その他(セクハラ・パワハラ系)」とか書かれていて、部下のメンタル案件が起きた時にどこチェックが入るかで社内での処理が変わってくるとか。
答えるのもバカバカしかったけれど、再度聞かれたので答えました。「ハイ、『通常の業務の範囲内』ですね」って。弊社においては子供がどんなに不調でも、子どもを見ながらの在宅勤務が「許されて」いたし、通常の業務の範囲内ということで間違いないと思います。
あなたの聞きたい答えに、なりましたでしょうか??
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