もう休む。管理職に連絡をする。決意してスマホを取り出し、文面を考えます。前面に出したのは私の体調不良。スマホで打ち終えて、しばらく悩みます。「送るか、踏みとどまるか」。意を決して送信。湧き上がった感情は、諦めでした。
長男の窮状は、ほぼ全て報告済み
その管理職への直近の連絡は8月中旬。長男の窮状や私の要望についてはすべて伝えていました。
- 前回(7月下旬)に連絡した時より状況が悪くなっていて、同じ働き方は厳しい。
- 長男の衝動性・攻撃性が非常に高まっていて、生活に支障をきたしている
- 薬が合わなかったため休薬していて、そのために症状が不安定になっている
- 夫が躁うつ病で、家庭内の余力が乏しい
- 他のメンバーよりも役割を限定し、それを他のメンバーにも理解してもらっている状況で仕事をしたい
それが、です。その連絡をしてから8日間放置された私。連絡をした時点で管理職が夏季休暇中だったという事情はあるのですが、休暇が終わってからすでに数日経過しても音沙汰なし。
もし私が管理職で、部下からこのようなメールが来たら、単なる業務調整というより、「もう限界」というSOSだと認識すると思うんですが。子育てしてこなかった中年男性にとっては、子どもの危機は社員の危機とは思わないということか。そうなら、話法を変えるしかありません。自身の体調を前面に押し出して文面を作ります。
伝えるべきポイントは3つ
伝えるべきポイントは3つありました。
私の体調不良が、在宅勤務と、荒れる長男の対応という2つのことを同時に行っていた状況に起因するということ。そして2つ目に、それが相当程度の精神的な疲れを溜め、疲労感や頭痛といった症状を引き起こしてきたということ。3つ目に、無理を押して続けた場合に家庭生活が立ち行かなくなりそうで、そうなる前に仕事の方を休んで、今時点での余力は家庭へ振り向けたいということ。
そうすると文面はこんなところか。
長男の不調のため、集中できる静かな環境で仕事をすることが、長い間できておりません。仕事を始めると叫びだしたり呼ばれたりという状況で、最初は切り替えながらできる範囲で仕事も進めていたのですが、おそらく精神的な疲れから、切り替えが段々できなくなり、今週は疲労感と頭痛で起き上がることができなくなりました。
子どもの世話と最低限の家事などはできているのですが、これ以上無理をすると動けなくなり家庭の方にも支障が出そうで、今の段階でお休みを頂いた方が良いのではないかと考えております。
しかし…ここまで言うべきか? 一度自分に問いかけます。おそらく管理職にとって、子育てというのはそもそも「大変」なもので、通常の「大変」さと、今の「大変」がどの程度違うものなのか分かっていない。だから、これでも多分足りないくらい。
だけど…「家庭の方に支障が出る」ために休む、という構成はどうなんだろう。「そんなの他の人に頼めよ」とか「外部サービスを使えないのか」とか思うんだろうか。どっちもギリギリになった時に、仕事の方を放り投げる感覚。きっと理解は得られないでしょう。
仕事だけをやっていれば済むのであれば、圧倒的に楽。言葉が通じて合理的で、やりがいもある。対してこじらせている太郎の相手をし続けるのは、言葉も通じず合理性のかけらもなく、疲労しか残らない時間。
今の時点程度の余力があれば仕事だけなら続けられるけれども、太郎の相手をするには相当程度の精神的な余力を残していなければ、正直、私が何しでかすか分からない。家庭で追い詰められたことがない人には分からない感覚だろうし、この書き方ではそこまでの状況は読み取れないだろうけど、そこまでは晒したくないし、これはこれで、この書き方しかないか…。
そしてもう一つの悩みは、期間。実際どれくらい休まなければいけないのか。最低でも長男の夏休み中は長男対応に専念したい。夏休み明けに学校に行けていたら、どれくらい様子見の期間が必要? 1週間? 2週間? 私の体調は長男と離れれば良くなるのか、しばらくひきずるのか。
よく分からない。期間については管理職も真っ先に聞きたくなるところでしょうが、私にも分かりません。それについては、おいおい相談していこう。何度も文面を読み直します。「今ならまだ、送らないでいられる。踏みとどまるか? やっぱり送るか?」
諦めたのは、何だったのか
最後の感情は、諦め。
1年前も、次男の手術で3週間程度仕事を休んだことはありました。入院期間は2週間でしたが、退院後もしばらくは在宅看護が必要と言われ、在宅看護までカバーするようにまるっと休暇を取得したのでした。
今回の休みがどの程度の長さになるか分かりませんが、同じ期間休んだとしても、今後のキャリアという面で私が受けるダメージは大きくなりそう。突然の休みである上、理由が「自分自身の体調不良」という部分に起因するものだからです。
メンタル弱いって思われたくなかったな。プロジェクトは少なくとも最後までやりたかったな。そして……同期との間についた評価・昇進の機会の差は、こうやって広がるばかりなのだな。
次の考課で付く評価。賞与。昇進。何より、部内での評判。当然気になります。差が付けば悔しい。でもしょうがない。こだわるな。そこにこだわるから、決められないんだ。だけど…がっかり。自分に、がっかり。(分かってるけどね。こういう競争心が強くて神経質な完ぺき志向の人ほど、ストレスに弱いんだって)
そして、送信。ほどなく管理職から返信がありました。「承知しました。あとで返事します」
さて、何を、話そうか。
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