癇癪と不登校は10歳の壁だった? 凸凹中学受験の振り返り③

白目トモ子(筆者)
メディアの片隅で生き延びてきた物書き。小学生男児2人を育てる。目下の悩みは不登校で発達特性ありの長男の中学受験。
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凸凹中学受験で起きたこと(続き)

その4 10歳の壁と癇癪と不登校

太郎

凸凹中受、ついに終わった!

白目太郎の中受のこれまで

小4でS入塾。S偏55からスタート。同年、発達特性と高IQが判明。ADHD薬の服薬で落ち着きのなさはおさまり、クラスはαに上昇。

小5秋に大失速、サピックス退塾。転塾、再度の退塾を経て小6の夏前からサピックスに復帰。復帰時のS偏差値は54。11月にS偏68を突破し、志望校を開成中学に変更、合格した。

正直、凸凹育児なんて壁だらけなのだが、この10歳の壁は我が家にとっては一際高かった。

9歳から10歳というのは、子どもにとって大きな転換期らしい。それまでの具体的な世界から、少しずつ抽象的な思考が求められるようになり、物事を客観的に捉える力が育つ時期であり、 同時に「今までのやり方では通用しない」という壁にぶつかる時期でもある。分解すると、四つの壁があったと思う。

一つ目は、学習の壁。例えば、算数。長男はもともと計算は得意だったが、分数や割合といった抽象度の高い概念が増えるにつれ、これまでの直感的な理解だけでは乗り切れなくなった。新しい概念を取り込むのが苦手で、親に教えられるという状況にも拒否感を示した。習うより慣れろ、とにかくやればできると言われることに強い苛立ちを感じた。

二つ目が、自己評価の壁。自己評価が厳しくなり、周囲との比較を意識するようになったことで、劣等感を抱きやすくなった。鉛筆をバキバキに折ったり、解いている問題集をビリビリに引き裂くなどの癇癪は日常茶飯事。親への反発から大変な口論に発展することも多かった。

三つ目が、周囲とのギャップの壁。知的好奇心が強く、理解が早いがゆえに、学校の授業が耐え難いほど退屈になる。単に「つまらない」ではなく、「なぜこんな無駄なことをやらなければならないのか」という疑問が膨らみ、学校というシステムそのものへの不満が募る。不登校傾向が強まったのもこの頃からだ。

長男の場合、ASD傾向や正義感の強さも相まって、周囲とのズレがより一層ストレスになった。一部の同級生の行動が「幼すぎる」と感じ、「なぜあんなことをしても許されるのか」という苛立ちを抱えるようになった。トラブルを避けるため、「周りのことは気にせず、スルーするように」と親から助言しても、本人には受け入れ難かった。周囲が気になって仕方がないのに、どうすることもできない。そのジレンマが、さらに学校を遠ざける要因になった。

四つ目が、非同期発達の壁。知的な発達と身体の発達とのギャップがあり、頭の中ではスムーズに解けているのに、いざ手を動かすとうまくいかない。筆算を書こうとすると手が止まる。文章題の答えはすぐ出るのに、途中の式を書こうとするとわからなくなる。本人曰く、「僕は分かっているのに、手が勝手に間違える」「手がめんどうくさがる」という感覚。

自分が「できない」ことに対する怒りは、単に勉強が難しくなったからではなく、「できるはずなのに、できない」というギャップへの苛立ちだった。そして、「こんなはずじゃないのに」と自分に苛立ち、最後は大癇癪。この繰り返しに、子供も親も激しく疲弊した。

以下は今後書きたいことのリスト。

  • 今日も授業に行けない!
  • 10歳の壁と癇癪と不登校
  • ケアレスミスとの戦い
  • 「眠い・疲れている」が分からない
  • 授業点が取れない
  • 教材以外で学ぶ
  • あと伸びを信じる
  • 成績が上がらない理由
  • 投薬の効果
  • 5年秋で凸を見極め
  • 記述対策で伸びる
  • プロのアドバイスに従え
  • 直前期の爆伸び
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